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この人に聞きたい 笑う門には「健康長寿も来たる」 医師 日本笑い学会副会長 昇幹夫さん

笑うことがストレス解消にいいことは誰もが感じていますが、 医学的に確かな効用があることを知っている人は少ないかもしれません。笑いの本場・大阪の産婦人科のドクターでありながら、「健康法師」として各地を巡回されている昇先生。学会のために横浜にいらした際に、お時間をいただきお話を伺いました。終始、笑いあふれるインタビューとなりました。


昇幹夫さん

笑いは「内臓のジョギング」

私は生まれも育ちも九州の鹿児島、親には「人様に笑われるな」と言われて育ちました。それが大阪に住んで四半世紀、人に笑ってもらうのが楽しい、嬉しいというように変わっていきました。

日本で最初に行われた笑いの実験は、がん患者さんが寄席で大笑いしたあとの免疫力の変化をみるものでした。その結果、がんを攻撃するリンパ球の働きが非常によくなったということで、この研究論文は日本心身医学会の最優秀論文に採択されました。

1994年には、笑いが大好きな歯医者や弁護士などさまざまな異業種の交流から「日本笑い学会」をスタートさせました。各専門分野を超えて笑いの総合的研究をしていますが、その中から笑いが健康に有用だというデータがたくさん出てきました。私は日本笑い学会の「健康法師」として全国行脚をしています。

「笑うことはどう良いのか?」とよく聞かれます。笑うときは息をはき出しますが、息を吸うときには笑えません。そのため、笑いは腹式呼吸の一つと捉えられ、「内臓のジョギング」ともいわれています。

落語とリウマチの数値

病気の人の中で最も笑わないのがリウマチの患者さんだと思います。ものすごくマジメな方が多いです。

日本医大の吉野愼一教授は、病院に寄席をつくってリウマチの患者さんに生の落語を聞いてもらう企画を立てました。林家木久蔵(現:木久扇)さんに1時間落語をやってもらうと、炎症の程度を示す血中のインターロイキン6の数値が見事にみんな低くなりました。

ステロイド剤を大量に使わないとなかなか下がらない数値なのに、1時間笑うと半分ほどになったんです。「これは本物だ、体に変化が起こった!」と思いました…

...続きは遊和23号でご覧ください。

昇幹夫さん

PROFILE

昇 幹夫(のぼり みきお)

1947年 鹿児島生まれ
九州大学医学部卒業後、麻酔科、産婦人科の専門医として82年より大阪在住。
大阪市で産婦人科診療をしながら、「日本笑い学会」副会長(「笑いと健康」の部門を担当)として笑いの医学的効用を研究。現在は「元気で長生き研究所」所長として全国を講演活動中。自称『健康法師』。
著書は「最新刊 笑いは心と脳の処方せん」(二見書房)、「60歳からの華齢な生き方」(保健同人社)、「笑顔がクスリ」(保健同人社)、「笑って長生き 笑いと長寿の健康科学」(大月書店)、「笑いと食と健康と」(芽ばえ社)など。

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