今回は名越康文先生にご登場いただきました。精神科医でありながら映画や音楽の評論家、漫画・ゲームの精神分析などでも活躍されています。悩みの多い現代の中で幸せに生きるヒント、自分自身との向き合い方について伺いました。

精神科医になった理由
家系的に医者が多く、仕事というと商売か医者しか知りませんでした。自分に商売は無理だと思ったので医学部に進みましたが、あまり医者になりたくなかったんです。精神科医の仕事を知って「これならできるかもしれない」と始めたものの、医者になって5年くらいの間にようやく精神科医としての自覚がつくられていったと思います。
当時はまだ精神科が有名ではなく、「何が自分に向いているんだろう」と模索する中で最後に残った感じですね。「自分は半人前だ」という思いがあったことで、ある程度ひたむきに医者を頑張れたのは僕にとってよかったと思っています。
自分が変わる
心理学は相手を変える方法というよりは、自分の心と向き合ったり考え方を変えたりする手助けをするものだと僕は考えています。
悩みやストレスのほとんどは対人関係によるものです。そして、これまでいかに他人の話をきちんと聞いてこなかったかを反省できれば、根本的に解決できるでしょう。

PROFILE
名越 康文(なこし やすふみ)PROFILE
1960年奈良県生まれ。精神科医。相愛大学、高野山大学、龍谷大学客員教授。専門は思春期精神医学、精神療法。近畿大学医学部卒業後、大阪精神医療センターにて精神科救急病棟の設立・責任者を経て、1999年に同病院を退職。引き続き臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析などさまざまな分野で活躍中。
著書に『自分を支える心の技法』(小学館)、『驚く力 矛盾に満ちた世界を生き抜くための心の技法』『「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』(夜間飛行)など多数。
【名越康文シークレットトークYouTube分室】
https://www.youtube.com/@nakoshiTV