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気になる毛細血管の事。

血管の99%は毛細血管

私たちの体は血液が循環することで生命を維持しています。心臓のポンプから送り出された血液は、動脈→毛細血管→静脈という順に流れて再び心臓に戻ってきます。

体内の血管をつなぎ合わせるとおよそ10万㎞、地球2周半の長さにもなるといわれていますが、このうち約99%を占めるのが毛細血管です。毛細血管は全身に網状に分布していて、細胞一つひとつに酸素と栄養を運び、二酸化炭素や老廃物を回収しています。

同じ血管でも動脈の健康状態は直接命に関わるため関心が集まりやすいですが、毛細血管は約7割が手足の先など体の末端にあり、致命傷になりにくいことからあまり重要視されていませんでした。しかし、非常に細い毛細血管は傷つきやすく、腎臓や肝臓といった内臓にも血液を届けているため、血流が悪いと正常に機能できなくなり重大な疾患につながる場合があります。

血流悪化で消滅する

血流悪化で消滅する

私たちの体は傷ができると、その周りに新しい毛細血管をつくって血液を供給し、治癒を促すようになっています。その後、不要となった毛細血管は自然に消えていきます。このように、毛細血管には動脈や静脈とは異なって必要に応じてつくられたり消えたりする性質があるのです。

一方で、必要な毛細血管であるにも関わらず、年齢とともに徐々に消えて減っていくものもあります。これらは「ゴースト血管」と呼ばれ、中高年になると若い頃の半数近くまで減少する人がいます。

詳しいメカニズムはまだ解明されていませんが、冷えや運動不足などで毛細血管内の血流量が少ない状態が続くことで体が「不要な毛細血管だ」と判断し、消えてしまうのではないかと考えられています。

毛細血管と脳

毛細血管は体中に張り巡らされていますが、特に酸素をたくさん消費する脳には非常に多くの毛細血管が存在し、酸素を供給したり脳内で発生した老廃物を回収・排出したりしています。

この老廃物の一つがアルツハイマー型認知症を引き起こすとされるアミロイドβです。こうした脳内老廃物は睡眠中に毛細血管から回収されるため、認知症の予防には十分な睡眠と毛細血管の血流を促すことが重要になってきます。また、加齢に伴って発症しやすいラクナ梗塞という脳梗塞も毛細血管の血流が悪くなることで起こります…

...続きは遊和36号でご覧ください。

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