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気になる睡眠の事。

睡眠の時間

人間の睡眠時間は1日平均7~8時間といわれ、人生の約1/3を眠って過ごしている計算になります。

発明家のトーマス・エジソンは「睡眠は時間の浪費だ」と考えて1日3~4時間しか眠らなかったとされています。一方で、ノーベル賞を受賞したアルベルト・アインシュタインは10時間睡眠だったようです。このように睡眠時間には個人差があり、ここ数年は熟睡度が高いことを示す〝睡眠の質〟を重視する傾向がありました。

しかし、最近になって睡眠時間の不足が蓄積すると病気の発症につながることが分かり、「睡眠負債」という言葉も広く知られるようになるなど、改めて睡眠時間の長さに関心が集まっています。

睡眠不足と病気

人間はどのくらいの時間を眠らずに過ごせるのでしょうか。過去には264時間(11日間)というギネス世界記録がありましたが、立ち会った研究者によると最終的には眼球が勝手に動くという非常に危険な状態になったそうです。

近年の研究から、十分な睡眠は休息になるだけでなく、がんや認知症の予防にも欠かせないことが分かってきました。また、睡眠中は脂肪を燃焼させる物質が分泌されるため睡眠不足だと肥満になりやすいことや、徹夜で勉強するよりもきちんと睡眠をとった方が記憶の定着がよいことなども明らかになっています。

このように、研究が進むにつれて睡眠の重要性が分かってきましたが、日本では「眠れない」という悩みを抱える人が成人の約5人に1人いるとされています。また、あるデータでは日本人の平均睡眠時間は世界で2番目に短く、不眠のために使用される薬の量は世界トップクラスだといいます。日本は眠らない、眠れない国になっているのです。

眠りのホルモン

身体は眠るようになっている

不眠に悩む人は大勢いますが、実は身体の仕組みから考えると少し不思議な現象だといえます。 私たちが夜眠りについたり朝目覚めたりすることには、ホルモンが大きく関係しています。眠りに誘うのはメラトニン1つだけですが、目を覚まさせるホルモンは数多くあります。起きている間は目覚めのホルモンが常に分泌されていることから、人間の身体は眠っている状態が自然な生物だともいえます。

夜になると目覚めのホルモンが減り、身体がリラックス状態になることでメラトニンが分泌されて眠りにつくようになっています。眠りにくいのはストレスやテレビ、スマホなどの刺激で心身のリラックスが奪われて、メラトニンの分泌が妨げられているからです。また、日中でも乗り物に乗っていると眠くなるのは、適度な揺れが安らぎ感を生んで目覚めのホルモンを抑制するためです。

これらのことから、不眠の治療で最も使用されるのは精神安定剤で、頭をボーッとさせ心身を緩ませることで眠気を催させています。この薬は長期にわたって服用することで依存性や転倒のリスクなどが報告されているため、安心して眠れるように生活習慣から改善することが大切です…

...続きは遊和31号でご覧ください。

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