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気になる肺の事。

肺

酸素と生命

日本では古くから「いきもの」は「いき(呼吸)をするもの」、「いきる」は「いき(呼吸)をすること」と考えられていました。これは、生きるためのエネルギーを酸素によって得ているからです。

酸素はエネルギーと違って体内に蓄えることができないので、絶えず取り込む必要があります。脳に酸素が届かなくなると20秒ほどで酸欠状態になって気を失うため、人間が息を止められる限界は一般的に1分前後となっています。

肺は体内に酸素を取り入れ、不要な二酸化炭素を排出している臓器で、この中にあるブドウのような形をした袋状の「肺胞」でガス交換が行われています。この肺胞は左右合わせておよそ6億個もあるといわれ、その表面積はテニスのコート半面分ほどにもなります。

加齢やCOPD(肺気腫)などの病気で正常に機能できる肺胞の数が減ると、肺の働きは低下して酸素が供給されにくくなり、エネルギー不足を起こして全身に不調が出やすくなります。

息切れは酸欠のサイン

人間の体には自然治癒力が備わっていますが、肺は回復しにくい臓器だとされていて、喫煙や大気中の有害物質などの影響で肺胞が炎症を起こすと、うまく機能しなくなるといわれています。

肺の働きが低下すると、激しい運動をしていないのに呼吸が激しくなる「息切れ」の症状が現われます。これは酸素が十分に取り込めないため、たくさんの空気を取り入れようと肺が激しく縮んだり膨らんだりしている状態です。禁煙をする、こまめに掃除や換気をするなどして室内の空気をキレイにしておきましょう。

また、息切れは血行不良や貧血でも起こります。酸素は血液によって全身に運ばれるため、血流が悪かったり血液量が十分でなかったりするとうまく体に供給されず、結果的に肺の負担となります。息切れがあると安静にしがちですが、それではますます血流が悪くなってしまうので、肺のためにはこまめに体を動かす方がよいといえます。

さらに、血液の元となるタンパク質や鉄分、ビタミンB群などの栄養素が不足しないように、食欲を高めて何でもバランスよく食べることも大切です。

肺と筋肉

筋骨隆々の人が必ずしも健康優等生というわけではありませんが、やせた人よりも肺の機能が高い人が多いようです。これは肺には筋肉がなく、周りの筋肉が動くことで肺を伸縮させて呼吸をしているからです。また、背中やお腹の筋肉が少ないと猫背になり、肺を圧迫して働きが低下しやすくなります。

東洋医学では「肺の養生には悲しみの感情がよくない」と考えられていますが、これは気持ちが落ち込むと体が前かがみになりやすいという理由からでしょう。肺を守るには胸を張り、前向きな気持ちが持てるよう意識することが大切です…

...続きは遊和30号でご覧ください。

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